初恋は夢の中
進藤先生は、桃子の両親に頭を下げ続けていた。



「お父さん、お母さん。お願いします!誠一さんとの事、認めて下さい。」
意を決した桃子も、頭を下げた。


桃子の両親は、頭を下げた二人を、ただただ呆然と見続け「しかし…」と言って、考え込んでしまった。

桃子は続けた。
「こんなに誠実で、真面目な人はこの先、どこを探してもいないわ。仕事もしっかりしていて、お父さんも結婚するなら、仕事の安定してる人を見付けなさい!って言ったでしょう?」

「んん…、確かに。しかし、結婚は早くないか?なぁ、母さん?」

「私は、桃子が見つけた人だし、進藤さんも中々いい人で良いと思うけど?」

「そうか…? んー…」
父親としては、複雑な心境だった。

「進藤は、若い割にはしっかりしています。桃子さんを、幸せに出来る事を保証します。」
先生も、桃子の両親に頭を下げた。


この言葉が聞いたらしく、桃子の両親は進藤先生との結婚を了承した。


「お父さん、お母さん!ありがとう!」
桃子は、涙を流し喜んだ。

「桃子!良かったね!」
私は桃子と抱き合って、一緒に喜んだ。



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