初恋は夢の中

朝から降っていた雨は、夜中には更に激しさを増した。



ここ数週間、ゆっくり寝れた事はなく、うとうとしてもすぐにまた目を覚ます。


寝たいのに寝むることがこんなに辛いコトとは知らなかった…


何度か寝返りを打つが、睡魔は現れそうもない…


フッと私は母の言葉を思い出す。

『たまに、眠れない時はお酒を飲んで眠るのよ。あっ！この事は、お父さんには内緒ね。』
って言ってたなぁ。
その時私は、苦笑いしながら聞き流してたっけ…

何であの時、ちゃんと話を聞いて上げなかったんだろう…


親の言葉を、思い出しては、その時の自分に後悔して、また泣いた自分に、後悔する…

何度繰り返したか…

まだまだ続く後悔に、終わりが来たら、
私は、立ち直れるの？
もっと落ち込むの？


誰に聞いても、教えてはくれない…



そうして私は、冷蔵庫にあった缶ビールを見つけ、一気に飲んだ。

「 うっっ！ にがっっ！」
始めて口にするビールは、苦くて不味かった。


… こんな不味いモノ、何であんなに美味しそうに飲んでたの？…
大人の味！？なワケ…

「まっ、いいや。これで眠れるなら…」

私は、息を止め一気に飲み干した。