初恋は夢の中
何時間、同じ場所に居たんだろうか…



どんなに待っても、先生は来ない…



やっと、重い足を引きずりながら、家路に戻るコトにした。



『 み わ こ … 』

誰かが、読んでる…

気のせいか…


『美和子…』

みわこ…ってダレ…?
あぁー、あたしかぁー。。。

先生の声が、近くで聞こえる…


あたし…
先生に会えないから、おかしくなちゃった…



その時、いきなり肩を掴まれた。

「美和子!ずぶ濡れじゃないかっ!どうしたんだっ?」

「先生…? どぉーしたの?」

「どうしたじゃないっ!早く、家に入りなさい!」


私は先生に支えられ、家に入った。



バスタオルを貰い、お風呂に入る。


「着替えを置いておくよ。下着は新しいモノだから。」
ドア越しに先生が、言った。


キガエ…
シタギ…

あぁー、そうかぁー。
奥さんのモノか…


先生の奥さん、若いのに病気で亡くなったって、噂で聞いた事あったなー。

もうだいぶ経つのに、整理出来ないんだぁ…

とやかく考えながら
ゆっくり、湯船に浸かり生気を取り戻した。



奥さんの服は、私のサイズとピッタリだった。



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