ヤンキー彼氏と地味子の恋。
「……そんなとこに突っ立ってねぇで座れば?(笑)」
「え……あ、はい。」
男の人の部屋なんて、初めて入ったからあらゆるものたちがあたしの興味を惹きつける。
「……永瀬くんって、バイクとか車好きなんですね?模型がいっぱいあって、なんだか素敵です。本物みたいで、いまにも走り出しそう。」
「あぁ。もうすぐ誕生日で18歳になるから、免許取りにいくつもり〜。莉子、乗せやるな。」
「はい!」
笑顔で話す永瀬くん。
本当に好きなんだなぁ…。
そんな風に彼を眺めていたら、彼があたしに近づく。
座るあたしの目の前に腰を降ろし、あたしの顔を覗き込む。
「メガネの莉子も好きだけど……やっぱ素の顔の莉子、かわい。」
「あ、あ、ありがとうございます。」
あのオリエンテーション企画からコンタクトレンズの存在を知り、あたしはメガネからコンタクトレンズに変えた。
永瀬くんが似合うって言ってくれたから。
「なぁ。」
「は、はい?」
すっごく顔が近い。
また、あの感覚……ドキドキしてきた。
「いつまで敬語使ってんの?」
「…え?」
「…俺と莉子って同いじゃん?ってか、カレカノなのに、敬語使うのおかしくね?」
確かに……
でも…あたし、家族以外には敬語使ってて、どう話していいのかわからない。
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