ヤンキー彼氏と地味子の恋。
「……わからないんです。」
「……何が?」
あたしは彼の顔を見れなかった。
ううん……見なかった。
見てしまったら、涙が零れてしまいそうだったから……。
「……莉子?……え…?ちょっ…泣いてんの?!え、嫌だったのか?チュー…。」
「違うんです!」
焦る彼にあたしは声を張った。
「…ごめんなさい。……あたし、なんか最近変なんです……。永瀬くんを見ると触れたいって思ったり……き、き、き、き、キス…なんかすると……もっとこの感覚を感じていたいとか……なんか…変なことばかり考えてしまって……わ、わかんないけど……身体が熱くなってくるんです……あたし…病気かもしれない…。」
心臓がドキドキして、死にそうになる。
だけど、その感覚が消えた時に恋しくなる。
またそのドキドキが欲しくなる。
永瀬くんに……触れたくなる。
「……莉子?」
そう彼に名前を呼ばれて、顔を上げた。
その瞬間……
彼の唇があたしの唇に重なる。
だけど、それはいつものキスなんかじゃなくて。
感じたことのない、感触。感覚。
ドキドキが、死にそうを通り越して、飛び出てしまいそうなくらい。
あたしの口の中に、彼の舌が入る。
あたしの舌を探す、彼の舌。
触れるたび……もう……頭までおかしくなっちゃいそうなくらい、
もっと彼に触れたくなる……。
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