アリスの扉
旅の始まり

「勢いででてきちゃったけど、どうやって森をぬけようかしら!
私の家って森の中だし、私も一人で出かけたことないから、わからないわ。」

「い…痛い!痛い痛い痛い痛い!」

「まぁ、誰かしら?
でも、誰かいるのね!
助かったわ!」

アリスの足取りは早まり、その声の主の元に向かいました。

「やめてくれ!
頼むから、痛いんだ!」

「ねぇ、そこの方、大丈夫?
この森抜け方知らない?
私、でたいんだけれど?」

「おいおい、まずはこの罠
を解いてくれ!
痛くてしょうがないんだ!」

「ごめんなさい。
すっかり忘れていたわ。」

「まったく、これだから近ごろの若者は…!」

「あら、あなただってずいぶん若いじゃない?
でも、人間じゃないからお年がわからなかったわ……………。
あれ?
人間じゃない?」

「なんだい?
その目は!」

「うさぎがしゃべってる!!!」

「今ごろッ‼?」

「えぇ、ぜんぜん気がつかなかったわ!
だってあなた、あまりにも言葉を上手にはなされるんですもの!」

「まぁ、僕くらいの上流階級になると、これくらいどうってことないけどね!」

「ところで、うさぎさん。
私、この森をぬけて、外の世界に行きたいの!
道を教えてくれない?」

「話を変えるなー!
まぁいい、僕は優しいからな。
森をでたいのかい?
だったら最初から言いたまえ。
僕も丁度、そろそろ森を出ようと思っていたんだよ!」

「私、始めから出たいと言ってたわ…」

「じゃあ、案内してやるから、ついてきたまえ!」

「あっ、スルーした。」

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