シュウ教授の怪しい研究室
「だって……」
「?」
私の腕を掴む教授の顔を見つめる櫻子の視線は
どうみても困惑していた
無論私と教授の関係など知るはずもない櫻子からしたら
私がその場にいるのが不思議で仕方ないだろう
「だって私…邪魔者だし……」
教授の視線が怖くてつい俯きながらボソボソと言うと
はい~!?とわざとらしく聞き返してきた
「いや、だから……」
「きーこーえーまーせーん」
「なっ!/////」
三度呟いた言葉をかき消すように教授が棒読みで声をあげる
――つーか絶対聞こえてるでしょ!?
なんなのさ!この仕打ちはっ!
「一号が思っている事を全て吐き出さなければ、一号の赤っ恥写真を学校やアパートの周りにまき散らしますよ?」
脅しとも取れる内容をフフフと口角を上げたまま笑い
キラリと光ったレンズを指で押し上げる
「赤っ恥!?」
「先日、自宅で横たわりながら鼻をほじくる中年のおばちゃん姿や、調理中にまんまと焼きそばを焦がして真っ黒になったおこげをなくなく食べる後ろ姿……」
「ってまた盗撮したんですか!」
「――盗撮ではありません。観察です」
「どっちも同じ意味じゃないですかっ!こんちくしょぉぉおぉ!!」