シュウ教授の怪しい研究室
「どういう……意味ですか?」
「見合いはビジネスです。あんなの上っ面ですよ」
「へ?」
「理解力がない一号の為に簡単に言うと、見合いは両家の親を安心させる為に仕組んだ仮の見合い。そこには恋愛感情なんてひとかけらも無いのです」
理解力の無い一号に少し引っかかったが
教授の言っていることはどうも本当のことらしく
元々櫻子とは知り合いで互いの親が結婚に煩くて
櫻子が自らこの芝居を企画したらしいのだ
「とりあえずああいう形をとれば親も納得して多少は静まると思い、私も賛同した。というわけなのです。私の親も結婚結婚うるさかったですから、逆にありがたかったですけどね」
淡々と話す教授に私は呆然としたままだ
「じゃ…あれはみんな演技……?」
「当然です!アカデミー賞俳優部門最有力候補の私に出来ない芝居などありませんから」
目を見開いたままぱちくりする私に
教授がフフンと鼻高々と言い張った
櫻子と楽しそうに笑っていた教授も
櫻子と嬉しそうに会話していた教授も
みんな演技だったんだ
「誰が好き好んで見合いなどしますかっ!それに私には……っておぉぉうぅ!?」