シュウ教授の怪しい研究室
安土桃山時代スペシャル
三学期がスタートした一月上旬
吐く息は白く
冷たい北風は身も凍る寒さだ
「あけおめ~」
「ことよろ~」
暖房がかかる教室で響くのは
若者達が当たり前のように使う略式言葉
キャッキャ騒ぐ教室の隅に負のオーラを醸し出しながら座る私に
友人の坂本由香里(さかもとゆかり)が近寄ってきた
「どーしたよ~、新年早々から負のオーラ醸し出しちゃって」
ハハハと苦笑いで話す由香里に
私は口元にマスクをつけた状態のまま、頬杖をつきながらハァ~と深いため息をついた
「缶詰め工場倒産だって」
「はぁ!?じゃ繭はクビ!?あのオネェ爺さん、事業失敗しちゃったか」
溜め息混じりで話す私に
由香里が軽ーく毒を吐きながら他人ごとのように鼻で笑う
由香里は性格が男っぽくてサバサバしている
優柔不断がとにかく嫌いで
白か黒かハッキリさせないと苛々して
しまいには、お得意の空手で習った拳が飛んでくる
その拳で去年、何人もの草食系男子が餌食になったか……
「じゃ、これから生活どうすんの?またバイト探すわけ?」