シュウ教授の怪しい研究室

その日は前日の大雪がウソのように快晴だった



都心でも数センチと積雪を観測し
まだまだ白銀色の世界が消える事はなさそうだ




プアーン!




新幹線が汽笛を鳴らしながら走るその場所は、富士山が綺麗に眺められる絶好の風景

私はその風景を窓側の席からジッと眺めていた




「……」



その向かい側の席には
前日から袴姿だったらしく、シャワーはキチンと浴びています!と豪語する教授が座り
隣には最高級の若鶏肉を使った親子丼を食べる中村さんがいる



ーー何で中村さんまで一緒なワケ?


ツッコミどころ満載なのだが、いちいちツッコミを入れたら話が終わってしまうので、割愛させていただこう




「あの…、教授?」

「何ですか?ドルマンスリーブ一号」

「いや、ドルマンスリーブっていうのはですね教授、袖ぐりが深くゆったりしていて、手首に向かって細くなっていく袖。のことを言うのであって、決してミドルネームでも何でも無いわけでして…ってこんなこと言いたいんじゃないんですっ!///」

「相変わらずノリツッコミのキレがハンパないですね、一号。勉強になります」



全くもって身の無い会話をする私と教授



って新幹線の窓ガラスに

“今日も一号は万全な体制でノリツッコミに挑んでいる”

って油性ペンで書かないでもらえますか!?



< 131 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop