シュウ教授の怪しい研究室
大学院からほど近いラーメン屋に連れて行かれた私
暖簾をくぐりちらほら客がいる店内に入ると
一気に食欲をそそる美味しい香りがしてきた
「お好きなの頼んで下さい」
厨房が見えるカウンターに肩を並べて座り
教授からメニュー本を渡される
定番のラーメンを始め
魅力的なメニューが様々ありどれにしようか悩んでいると
「野菜全部乗せ、安土桃山時代スペシャルがオススメですよ」
と隣からボソリ
たしかにその、なんたらスペシャルと呼ばれたメニューは
一番大きな文字ででかでかとメニュー表に表示されているではないか
「あ、じゃ私それにします」
「マスター、彼女に桃スペと私には野菜ラーメンと餃子」
頭にタオルを巻き懸命に中華鍋を振る
つるっぱげの頑固オヤジ風の男性に、教授がオーダーを入れた
「ここは私が院生の時からあって、もう通い続けて数年になるんですよ」
たしかに店内は若干小汚く
壁に貼られた個々のメニューは若干色あせている
しかし、ビールジョッキを持つグラビア女性が映るポスターだけはやたら真新しいが