シュウ教授の怪しい研究室

管理人の家を出て歩いて五分

再びあの築二十年木造オンボロガッタガタ風呂無し
ついでに天井にはネズミが走るよアパートに帰ってきた私



漸く本来の目的である新聞を郵便受けから取ろうとした瞬間!


「!」



どこからか視線を感じた私

グッと息を殺しながら辺りを見回す



しかしいつもと変わらぬ風景に
外は人っ子一人歩いていない……



――敵か!?

私はさながらスパイ映画のように、咄嗟に郵便受けで身を隠した



この閑静な住宅街の空気に溶け込み電柱柱でひっそりと身を隠し、私の命を狙う二つの眼


その視界に自分の姿がしっかりと捕らえられているとは知らずに
私は新聞を拳銃に見立てて相手の出方を待った




緊迫感で包まれた現場に冷たい風が吹き

枯れ葉が道を通り過ぎる



――そこに隠れているのはわかってるんだから


電信柱で微かに動いた人影


しかし全く微動だにしない相手の動きに思わず生唾を飲んだ



そして壁に張り付きながら、

ゆっくり頭だけを動かして敵がいると思われる方向を確認……



「なっ!?」


電信柱にあるはずの人影がない!

そう思った瞬間――!
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