シュウ教授の怪しい研究室
グイッ!と腕を強引な力で引っ張られる感覚がしたあと
私の体は出店と出店の間に出来た僅かな隙間に瞬間的に移動していた
「大丈夫ですか?一号」
私の腕を掴んだまま心配そうに見下ろすのは教授だった
「少し歩いたら後ろに一号がいないことに気づいて……」
「……」
教授の顔を見た途端
ドクンドクンと胸騒ぎしていた鼓動が自然と収まり
一瞬で全身が安堵感で包まれる
「教授……っ!」
張りつめていた何がプツンと切れて
零れ落ちそうな涙をグッと堪え
私は無意識のまま教授の胸に飛び込んでいた
「いっ一号////?」
突然抱きつかれ、思わず顔を赤くする教授
参道には溢れんばかりの参拝者がぞろぞろと列を伸ばす
しかし隙間が死角になっているのか
二人の姿は行き交う人間達には目に入る様子もない
「……///」
教授は私を抱きしめる事も突き離す事もせず
黙って時が過ぎるのを待つだけ
私はそんなことに気づかないまま
暫しの間、教授の胸に顔を埋めてその温もりを全身で感じていた