シュウ教授の怪しい研究室
つーか教授ってどんな研究してるんだ??
「おう」
その時、私の席に現れたデカい図体の人間
椅子に座る私を見下ろしてるのは
幼なじみの宮地海翔(みやじかいと)
昔から近所に住んでいて
実家は宮地サイクルという自転車屋を経営している
「んだ?風邪引いてんのか繭」
口調と性格が荒く
昨年の入学後すぐに学校の問題児とレッテルを貼られたぐらい激しいヤツだけど
内面はとても優しくて何よりも動物を愛し
将来は獣医師になりたいと願う、憎めない人間なのだ
「まぁね。近づいたら移るよ」
「バカは風邪引かないっていう迷信は崩れたな」
「何さ、その口ぶり!大丈夫?とか優しい言葉ないわけ?」
「風邪ぐらいで体調崩すマヌケなお前にかける言葉なんてねぇよ」
昔から海翔は私に突っかかってくる
バカとかアホとか言って散々私を怒らせるくせに
いざって時にいつも助けられてきた
だから憎めないというよりかは
頭が上がらないと言ったほうが合ってるかもしれない
「バイトは行ってるの?」
「相手に移したら悪いから休んでる」
由香里の質問に私は頭を左右に軽く振りながら言った