シュウ教授の怪しい研究室

時計の短い針が真下を差した頃
私と教授は都内で最高級ホテルにいた


広いエントランスを抜け、会場まで歩く怪しい眼鏡吸血鬼とメイド



たくさんの人々が行き交う場所だけあって
周りの冷ややかな視線を痛いほど感じるが

教授は気にかける様子もなく、颯爽とマントを翻し歩いていく



私はその後にくっつくように追いかけ、漸く会場についた



「……」



ホテル内で一番広い部屋には、無数の人間で混雑している光景に私は思わず唖然

というか……



――単なるコスプレ大会じゃん!!



アニメやゲームのキャラクターはもちろん

着ぐるみを着てる人間もいた


むしろ私達などこの空気に簡単に飲まれてしまいそうなほど、人々の熱気に溢れていた




「教授、この人達って……」

「みんな自由に着飾ることで現実から逃れようとしている……。その結果こういう形で自分自身を表現しているのです。勉強になります」



――要はコスプレが好きなんでしょ



うまいこと言ってます的な口調につい苦笑いする私


コスプレと学会の繋がりがいまいちよくわからないが
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