シュウ教授の怪しい研究室
私は教授の事なら何でも知りたいと思うけど
逆に教授は私に対して仕事以外のことまで話す必要は無いって考えてるのかな
でも今まで話した会話の中にも、たくさん自分の身の上話とか話してくれたし
決して私に心を開いてないわけじゃないと思う
でも……――
チラリと見たシワクチャな手紙
どういう意図でこんな事をしたんだろう
普段はどんな人から手紙がきても
そのまま綺麗な状態で棚にしまっているのに……
「……」
やっぱりむやみにプライベートに口出ししないほうがいいよね
教授だって人に教えたくない一つや二つぐらい……
‘一号、私結婚します’
‘えっ’
‘なので実験サンプルは本日をもって廃棄処分させていただきます’
‘廃棄…処分?’
‘今までご苦労様でした。残りの給料です’
‘ちょっ、教授!’
‘じゃ、私は京都に帰るので。さようなら’
‘待って教授!私が欲しいのはお金じゃなくて――!’
くだらない妄想が更に自分を追い込めていく
「駄目だ!やっぱり諦めたくない!!」
手紙をギュッと握りしめ、窓から降り注ぐ朝日を全身で浴びた