シンデレラ★バレンタイン
「じゃあ真姫、お邪魔しました。」
「り…里穂ぉ…ホントに帰っちゃうの?」
「…当たり前でしょう?何が悲しくてカップルの間に挟まれていなくちゃいけないの?」
「でも…いつも3人でいるじゃん!」
「そうね。でもその〝いつも〟の状態を打破するためのバレンタインじゃないの?」
「そ…それはっ…!」
「ねぇ、真姫。」
「…な、なに?」
里穂が一度、目を伏せて少し言葉を濁した。
そしてゆっくりと視線を上げて、あたしに目を合わせる。
真っすぐで大きな瞳があたしの心を強く揺さぶる。
「私も…少しだけ踏み出してみるから。
だから真姫も少しだけ踏み出す、っていうのはどうかしら?」
「え…?」
「…貴也に言ったこと、ないの。『好き』だなんて。」
「そ、そうなの?」
「そう。だから私、真姫よりも全然何も出来ていないの。」
「……。」
「今の真姫の立ち位置に並べるくらい…頑張るから。
真姫もちゃんと、瞬に素直になって。
真姫なら言えるし、瞬ならちゃんと抱きしめてくれるから。」
里穂はくるりとあたしに背を向けて、ドアを開けた。
「り…里穂ぉ…ホントに帰っちゃうの?」
「…当たり前でしょう?何が悲しくてカップルの間に挟まれていなくちゃいけないの?」
「でも…いつも3人でいるじゃん!」
「そうね。でもその〝いつも〟の状態を打破するためのバレンタインじゃないの?」
「そ…それはっ…!」
「ねぇ、真姫。」
「…な、なに?」
里穂が一度、目を伏せて少し言葉を濁した。
そしてゆっくりと視線を上げて、あたしに目を合わせる。
真っすぐで大きな瞳があたしの心を強く揺さぶる。
「私も…少しだけ踏み出してみるから。
だから真姫も少しだけ踏み出す、っていうのはどうかしら?」
「え…?」
「…貴也に言ったこと、ないの。『好き』だなんて。」
「そ、そうなの?」
「そう。だから私、真姫よりも全然何も出来ていないの。」
「……。」
「今の真姫の立ち位置に並べるくらい…頑張るから。
真姫もちゃんと、瞬に素直になって。
真姫なら言えるし、瞬ならちゃんと抱きしめてくれるから。」
里穂はくるりとあたしに背を向けて、ドアを開けた。