シンデレラ★バレンタイン
「ん…まいじゃん。」

「ほ、ホント?大丈夫!?」

「いーかんじにしっとりしてて美味い。」

「…良かったぁ…。」

「真姫も食べる?」

「へ?」

「口開けろー。」

「いっ…いいよっ!太るし!それにこれは瞬にあげた…んっ!」


瞬がフォークで小さく切ったガトーショコラをあたしの口にポンっと押し込んだ。
…ふんわりと広がる、甘いだけじゃない〝甘さ〟


「あ、…美味しいかも…。」

「な?」

「な、なんで瞬が得意げなの!?」

「え、だって真姫が不安そうにすっからさ。
すっげー美味い。だから自信持てよな。」


瞬の大きな手があたしの頭をまた撫でる。
ちょっと雑だから髪はぐしゃっとなってしまうけど、そんなのは全然気にならない。


…この大きな手から伝わる温度が、心地良い。


「真姫。」

「ん?」

「…ありがとな。」


そう言われて3秒と経たないうちに、瞬の唇が額に触れた。

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