シンデレラ★バレンタイン
そういう雰囲気になる度、ぶち壊すのはあたし。
変に話振ったりして、全部遮ってしまう。


…だって、なんだかむずむずして、恥ずかしくてどうしようもなくなる…から。
目の前にいるのは間違いなく瞬で、…知ってるはずの瞬なのに、そういう時は全然違う瞬に見える。


だから、どうしていいか分からなくなる。


それに瞬はなんだかんだ言って優しい。
あたしが戸惑ってるってことにいち早く気付いて、そこで瞬は止まる。
いつもみたいな顔に、戻る。





「なるほど…ね。真姫らしいって言えばとても真姫らしいけれど。」

「…里穂はどうなの?」

「どうって?」

「その…貴也さんと…付き合ったままなんでしょ?」

「自称彼氏のままよ。」

「でっ…でも!里穂は好きなんだよね?」

「そうね、そうかもしれないわ。」

「…好き…って言った?」

「え…?」

「あ、ううん!ごめん変なこと訊いて!」

「…真姫は言いたいのね、瞬に。」

「へっ!?」


里穂の言葉に思わず素っ頓狂な声が出た。

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