シンデレラ★バレンタイン
「ちゃんと想ってるってこと伝えて、瞬と彼氏彼女っぽいことをしたい、と。」

「そっ…そそそんなことっ!」

「思ってなかったらそんな風に顔が赤くなったりしないわよ。違う?」



…う…里穂ってばいつからこんなに恋愛の達人みたいになったんだろ…?
でも、里穂の言うことって…



「ち…が…わない…かも…。」

「ねぇ、真姫。授業中の考え事って瞬のことでしょう?」

「えぇ!?」

「真姫の分かりやすいところは本当に長所よね。」

「…里穂だから分かっちゃうだけだもん。」

「ま、そういうことにしておいてあげるわよ。
でも、瞬のこと考えてたのに瞬がそんなことにも気付かずにゲラゲラ笑ってたから思わずカチンと来てチョークを投げた、と。」

「…正解。」

「バレンタイン、いい機会じゃない。」

「え…?」

「真姫みたいな女の子のためにあるのかもしれないわね、日本のバレンタインって。」

「ど…どういう意味…?」

「恥ずかしがってこのままでいたら、瞬だって不安になるかもしれないわ。
だから頑張ってみたら?瞬、チョコは好きじゃない。」

「…ひ、一人でなんて作れないもんっ!」

「じゃあ買えばいいじゃない。」

「それはなんだか嫌っ!」

「もう…変なところはこだわるのね、真姫って。」


くすっと妖艶に里穂が笑った。

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