すれ違う恋の行方
「っつか、お前!!」

『えっ…』


途端に秀があたしに向かって怒鳴る。


「なんでこんな時間にあんなとこウロついてんだよっ!!
 俺が通りかかんなかったら、どうなってたか分かってんのかっ?」

『ご、ごめんなさい…』


あたしは反射的に、秀に謝っていた。


正直驚いた。

いつも温厚な秀が、こんなにも怒っているとこなんて、今まで見たことがないから…。


「遠くから見て、絡まれてんのが美鈴だって分かったとき、マジ心臓が止まるかと思ったしっ…」

『でも秀、強かったね』

「一応、黒帯なんで。って、んな悠長なこと言ってんじゃねぇ!!」

『あ、はぃ…』


めずらしく、立場が逆になっているような感じがした。
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