すれ違う恋の行方
『しょうがないなぁ…。クラスに戻るように言えばいいんでしょ?』
「おう。じゃぁ、頼んだからな」


それだけ言うと、片倉は教卓のほうへと戻っていった。


「行ってくんの?」


と、ミホが少し意味深な笑いをしながら聞いてきた。

『しょうがないでしょ』
「アンタも大変だねぇ。いろいろと」
『何いろいろって?』


そう聞くあたしに、「さぁ~?」と笑ってごまかすミホ。

なんとなく、ミホが考えてることは分かったけど
あたしはあえて、それ以上突っ込むのはやめた。


『じゃぁ、ちょっと行ってくるね』

「はいは~い」


あたしはかったるそうに机を立つと、教室を出た。


向かう場所はただ一つ。

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