すれ違う恋の行方
「お前っ、こんな時間に一人で帰ろうとすんなよっ…」

『はる…き…』


あたしを呼び止めたのは春樹だった。


春樹は息を切らしていて
明らか今まであたしを探し回っていてくれた様子。


もしかしたら、あたしはすでに家に帰っていたかもしれないのに…。


「さっきは悪かったって…。
 ちゃんと家まで送ってくから」


そう言って、春樹があたしに優しく声をかけた瞬間


『……ぅっ…』

「美鈴?」

『ひっく……ぇっ…』


あたしの瞳から涙が溢れ出した。


「ごめんっ!本当に悪かったってっ…」


春樹は自分のことが原因であたしが泣いていると思い、慌ててあたしに謝っていた。

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