すれ違う恋の行方
「……とりあえず、一回俺んち来い」

『……』


春樹はそう言うと、あたしの手を引いて歩き出す。


あたしは春樹に引っ張られるまま、再び春樹の家に連れてこられていた。


「で?秀がどうしたんだよ?」


春樹はあたしをベッドの上に座らせると
自分はその前にしゃがんで顔を覗き込んできた。


『……』


あたしは涙は止まったものの
言葉にするのが嫌で、ただ黙って俯いていることしか出来ないでいる。


「黙ってちゃ分かんねぇだろ。
 秀は俺にとってのダチでもあるんだからさ」

『……』

「美鈴…」


真剣に聞いてくる春樹に、あたしはついに重たい口を開いた。

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