すれ違う恋の行方
「だから最後に一つだけ……」

『え…?』


秀は涙を堪えた笑顔で、あたしに言った。



「最後に一回だけ……ほんの一瞬だけでいいから……

 抱きしめさせて…?」



秀からの最後のお願い。

恋人としての…。



『……うん』



あたしはそっと秀の顔を見上げた。
< 439 / 466 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop