すれ違う恋の行方
「あー鼻がムズムズする…。
 早く花粉終わんねぇかなぁ……って、あ?」


と、一人の男子生徒が鼻をすすりながら、屋上へと入ってきた。
そしてあたしと目が合うと、一瞬だけ立ち止まる。


「何?お前もサボり?」


そう言いながら、またあたしのほうへと歩き出した。


『……まぁ…』


とりあえず、あたしも適当に答えた。

ってか、コイツ知ってる…。


水瀬春樹【ミナセハルキ】

多分、コイツを知らない生徒はいないだろう、ってくらい有名。


完璧なほどの整った顔の持ち主で、この学校ではアイドル的な存在。
まぁ、それに負けず、かなりの女たらしだって聞いてるけど。


あたしはそうゆう輩が苦手だったので、1年の時は特に関わりをもたないよう接してきていた。

< 5 / 466 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop