曇りのち晴れ
出会い
【ピピピッ!】
「7時か」

私の朝はこの目覚ましと共に始まるのだ。

名前は田中 さとみ
小さい会社に入社して四年。
彼氏なし。友達少ない。
顔も普通。。

仕事は簡単なパソコンと雑用をしてる。
<AM9時>
「オイ!さっき頼んだコーヒーはまだか!とろいんだから」

こんな部長の下で働いてる。

嫌味で熱い珈琲を出す元気もない。

同僚は仕事そっちのけでコンパばかり考えてるギャルと、悪口大好きなおばさんばかり。
<PM12時>
淋しく一人でランチ。といってもコンビニで買ってきた三百円の弁当だけ。みんなと食べるのは苦手。
<PM6時>
取りあえず今日は無事仕事を終えた。
毎日がだんだん辛くなってきた。
会社と家との往復。それだけの毎日に嫌気がさす。

家に帰ると暗いニュースがやってた。中学生がリストカットして自殺。

フーン。ふと悪いことを考えたり、近頃私何かおかしい。何もかもめんどくさい。食べるのも歩くのも。生きること全て。

ああ、もう夜の8時か。
一日何の収穫も楽しいこともなく終わるんだね
もう死んじゃおうかなぁ。

本当に。

なーんて考えてたらいつもは鳴らない携帯が鳴った。[プルルル]見覚えない番号。慌ててとる。
「は、はいもしもし?」

『あ、アレ?間違えた?ごめんなさい。』
「いいです別に。。」
ツーツー。

なぁんだ間違いかぁ。
どうせ私に電話してくる人なんていないしね。

10分後、、
[プルル]
また同じ番号。
もう何よ。疲れてるってゆーのにやめてよ。

「もしもし?間違えてますよ。」

『あ、はい分かってます。でもなんだかさっきあなたの声物凄く暗くて死にそうな声だなぁなんて!あっでも違いますよねッ(笑)きにしないで下さい!』

なにこの人。見ず知らずなのに、番号間違えただけなのに、顔もしらないあたしのこと心配してるなんて。
なんか笑えるんだけど。

「いえ。大丈夫です。それじゃあ。」
そう言った私の目からは涙がこぼれてた。

なんで?何泣いてんのよ、私ったら馬鹿みたい

こんな私でも親以外に心配してくれる人がいたんだ。

知らない人じゃん!
なのになぜだか心が暖かくなった。

それがその人との出会いだった。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop