私を襲って、ツンデレくん。


「ねぇ、アル。」


『ん?どうした?』



アルが歩きながら私を見て答えた。




「うん。あのさ、何でアルが私と一緒に帰ってんの?アルんちと方向真逆じゃん」



そう。いつも私は時雨くんと帰ってアルはしぃちゃんか男友達と帰る。
なのに何で今日は私についてくるんだろ?





『鈴と帰りたかったから。』




「…嘘つくな。」




何が『鈴と帰りたかったから。』だよ。アルも嘘つくの下手なんだから。




「…で本当の理由は何?言ってごらん?」



アルの顔を覗き込むように尋ねた。



すると急にアルの顔が悲しくなっていった。



どんなときも明るいアルがこんな悲しい顔をするなんて余程のことだ。




急に心配になった。




するとアルは重い口を開けた。



それと同時に私は何を話されるのか怖くなった。







『あ、のさ…』





「うん…」




『俺…、』






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