私を襲って、ツンデレくん。
「あ~。うん。ケンカしたのはわかったけど私と一緒に帰る必要性は?」




『あ~。っと、歩きながら話そうぜ』




おっと。あまりのアルのバカ話しに拍子抜けして足が止まってたよ。




そして私たちは再び歩き出した。




「…それで何故?」




『あ、うん。どう仲直りしたらいいか鈴に相談しようと思ってさ。』



あ~なるへそ。




『ていうか。まず何でケンカしたの?』



これがわからなくちゃ私もどうしていいかなんてわからないよ。




『あっ。鈴んち着いたぞ。』





え-!!何故このタイミングでつくかな。




「じゃあさ、アルが家付いたら私に電話してよ。電話で相談しよ。」




『あぁ。わかった。なんか色々迷惑かけてごめんな』



アルが少し申し訳なさそうに俯いた。



「なぁに今更気つかってんの?てか迷惑じゃないし。逆にこの状況面白がってたりするし。」



あ、いや最後の文はもちろん嘘ですよ?

しかしアルには冗談が通じなかったのか…。




『うわっ!!性格わる。』



と言われた。



「本気で言ってないちゅーの!!』



もう人がせっかく慰めてやってるっていうのに。



『わりぃわりぃ。冗談。でも鈴本当ありがとな。じゃ早く家ん中入れ。春だからって油断してると風邪ひくぞ』



アルはいつものように綺麗な白い歯をだしてくしゃっと笑った。




「わかった。じゃ電話頂戴ね。ばいばい」




『おう。じゃあな。』




アルはさっきより軽やかに私に背中を見せて帰っていった。





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