好きになんかなるハズ無い!!
「あ、美名おはよう」


後ろから挨拶され、空を見ていた目を声の主に向ける。


長い髪をキレイに結い上げた身長160位の女の子が、笑顔で立っていた。


「あっ、李子!おはよう!!」


彼女は伊集院 李子《いじゅういん りこ》といい、ホテル経営で名高い伊集院グループの令嬢。


“一条”と“伊集院”で名字が近く、1年生の時席が前後だったのがきっかけで仲良くなった。


ホテル経営のマナー等を叩き込まれているので、凛兎の生徒の中でもマナーに厳しい子なのだ。


「何が意味分からないのよ?」


「へ?聞こえてたの!?」
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