好きになんかなるハズ無い!!
本をわざわざ立って渡してくれた利晴を、ジィッと見た。


「アンタもう読んだの!?2~3日前に貸したばかりなのに……」


驚いて聞くと、メガネは少し口角を上げた。


なぜコイツの笑顔は、こんなに憎たらしいんだ。


「読んだよ。オレもその小説の作家好きだったから、スラスラ読めた」


「へぇ、利晴って推理小説も読むんだ」


慎之介が机の中の教科書をゴソゴソしてる。


「ソイツ“Lie”のメンバーのクセに、マジメなんだよ」


慎之介に続いて、洋夢も喋り出した。


「オレそんな小さい文字見てたら、絶対に眠くなんな」
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