Honey☆Berry
気がついたらあたしは
いつもくる桜並木の道に
立っていた。
近くを流れる川が
何事もなかったかのように緩やかな時を刻んでいる。
「あたしなにやってるんだろ…。」
ヤバイょ、
涙が今にも瞳から飛び出しそうだ。
「(カツン…)」
へ!?
さっきはあたし
1人だった気が…
恐る恐る振り返ると
そこにいたのは…っ!

ぇ…。な、なんてキレイなの?
キレイとはきっとこの人のためにできた言葉。
男の子なのにとってもキレイだ。

ハチミツ色の髪の毛に
容姿端麗な姿で、
おしゃれなパーカーを着ていた。

しばらくぼーっと見とれてしまっていた。
やばぃ!絶対変人だょ、あたし。

てか男の子もあたしの顔見てるし。
な…なんかついてるのかな?

「あっ、あの!」
よし!言えたぁ♪

あたしが声を発すると
男の子は我に返ったかのようにビクッとなった。
そして動揺してるかのようにきれいな茶色の瞳を揺らしている。
しばらくして
男の子はパーカーのポケットに手を入れた。
どうしたのかな…?
中から出てきたのは
ハート型の真っ赤な包みに入ったキャンディ。
見たことないキャンディだなぁ。

カサカサ…

男の子はおもむろにキャンディの包みを開けた。
(口、開けて?)
はへ?
男の子は目で合図した。
あたしが恐る恐る口を開けた。
(カラン…)
瞬間、口いっぱいに甘い甘い苺の味が広がる。
けれど爽やかな酸味も効いている。
こ…こんなキャンディ食べたことない。
「ぉぃしい…」
自然に口にしていたあたしに男の子はフッと笑ってくしゃとあたしの頭を撫でた。
ドキっ…
心臓が波打つ。
あたし、なんかおかしい…

次の瞬間にはもう男の子の帰ってく後ろ姿だけが目の前にあった。





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