わかっていたはずなのに…
君の笑った顔は本当に可愛くて、綺麗で…どんどん俺の想いは募っていく。

けれど君は彼氏もち。どうしたらいいのかわからない。

春になり海に遊びにもいった。まだ少し風が冷たい。
君は履いていた靴を脱ぎ裸足で駆け回る。

「優斗も靴脱いで!温かくて気持ちいいよ。」

まるで青春ごっこをしているよう2人ではしゃいだ。
砂でトンネルを作って穴から2人で覗きあって笑い…波のしぶきから逃げ…水をかけあい…

心から楽しかった…幸せだった。

あたりが夕焼け色に染まり俺たちは座り話しだした。
俺は聞いてみた。初めは君は彼氏の話ばかりしていた。けれど最近は彼氏の話を出さない。だから…

「蝶華、最近彼氏とは?」

「普通だよ。」

「普通って?」

「彼氏のことはいいじゃん!」

少し強い口調で返され君は悲しい瞳をした。

それ以上なにも聞けなかった。

そのままどの位の沈黙が続いただろう…。

急に君は言った。
< 10 / 23 >

この作品をシェア

pagetop