わかっていたはずなのに…
周りから見ればどこにでもいる普通のカップルだった。
手を繋ぎ歩く街。

握り合った手のひらに切なさがあることなんて2人にしかわからない。けれど今日だけは…と。

「優斗〜」

そう呼ばれるのが心地よくて…

君の香りが好きで、近くによって…

君の笑った顔が愛しくて…
思わず信号待ちに軽くキスをしてしまったんだ。

君はあの時、瞳が点になって笑って顔を真っ赤にしてたね。

それが俺たちのファーストキスでラストキスだった。

そうして夜になり俺たちは別れたんだ。お互いが別の道を歩いていく。

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