赤い狼 四
……。
普段の性格は穏やかなのに何でパソコンの前だとこんなに違うんだろう。
いつもは穏やかで笑顔が爽やかで優しい男。
パソコンの前になると真顔で微笑すらも見せなくて口が悪い男。
まさにこれが"180度違う性格"と言うものだろう。
………と、俺がそう確信してしまう男とは…
「あ゙ぁ゙ん?機械ごときが俺に勝てると思ってんのか?
やるなら正々堂々と掛かってこいよ。やる気あんのか?」
普段からは想像さえもつかない、バカ丸出しでパソコンにガン飛ばしている俺等のお父さん的存在の、棗だ。
棗は余程腹立っているのか、貧乏ゆすりをしながら金髪を一本抜いた。
何で髪の毛を一本抜いたのかは分かんねぇけど…
俺の心の内から沸き上がってくるこの感情。それは
絶句。
というやつだろう。これだけは分かる。
ふぅー。と息を深く吐きながら部屋を見渡す。
此所は変人の集まりだな。
何でこんな変人達の集まりが関東一強ぇのかなー…。
なんて、自分を棚に上げておいて考えてみる。
すると答えはすぐに―――…