赤い狼 四
「何でそう思うんだ?」
やっぱりな、と納得しながら銀の顔を覗き込む。
「んなもん、勘だろ。」
「…ま、そうだろうね~。」
銀がピンクの横髪を耳に掛けながらクワッとあくびをするのを見ながらソファーに腰掛ける。
何気に銀の肘、肩に突き刺さって痛かった。
左肩を優しく擦る。
「…まぁ、隼人も自分でまだ分かってねぇんだろーよ。自分の気持ちがよ。」
そんな俺の様子をニヤニヤと見た後、銀が机に置いてあったココアを一気に飲み干した。
「……"ひな"か…。」
今までずっと動かずにその場に突っ立っていた棗がポツリと糞女の名前を呟く。
「壊しに来たのか…、崩しに来たのか。」
そのまま棗は訳の分からない事を呟いてハッと鼻で笑った。
「上等。」
「棗、何のスイッチが入ったんだ?」
「《SINE》を壊されないという闘争心スイッチ。」
「おぉ、ぃぃ意気込みじゃねぇか。じゃあそん時は俺も参戦させてもらうわ。」
棗のおかしいキャラを見て連がケタケタと笑う。