赤い狼 四
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最近、《SINE》の様子が変わった。
それは私が思ってるだけかもしれないけど、何かが…違う。
そんな違和感を抱き始めたのはあの、黒い手紙を私が渡した次の日から。
黒い手紙を握り締めて部屋を出ていった隼人。
あの様子からして隼人は"ひな"っていう人を知ってるんだろう。
《SINE》の皆も、知ってるっぽかった。
それに、隼人が出ていった後に奏達がしていた会話―――…
『アイツは…隼人はまだ、あの女のことが好きだろーよ。』
あれは、本当なのかな。
自分には関係ない事なのにグルグルと銀のその言葉が頭の中で何回もリピートされる。
私は、隼人なんて好きじゃないのに…。
むしろ、私に恋して欲しくないと思ってたんだから今回ので安心してもぃぃ筈。
なのに何で…
「こんなにモヤモヤとした気持ちになるんだろう…。」
はぁーー…、と深くため息をつく。
おかしいなぁ…もっと喜べるかと思ったのに…。
そう思いながらもう一度、深くため息をつく。