赤い狼 四
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「え~、今からクリスマスパーティーを始めまぁ~す!」
「いいじゃん。盛り上がるねぇ。」
「ほら、稚春も持って!」
どうしてこんな事になってるんだろう。
理解できかねない。
ブンブンと頭を振る。
夢だ。そうだ、きっとこれは全部夢なんだ。
ボーとしていた頭に気合いを入れるために頭を叩く。
あ。やっと覚醒してきたかも。やっぱり夢だったんだぁ!
わぁい!と両手を上げて喜ぶ。
でもそれは
「一足先のハッピークリスマス!!!」
「ハッピークリスマス~!!」
――パンッ!パンッ!――
勘違いに過ぎなかったらしい。
目の前に居る二人の女の子。
その二人の手にはピンクと黄色のクラッカーの紐が握られている。
それは、今さっきクラッカーを鳴らしたという事を表している。