赤い狼 四





「家に押し掛けるのだけは止めて。」



「ごめんって。だって早く語りたかったんだもの。しょうがないじゃない。」




おい。全然反省してないじゃないか。しょうがないじゃないよ。


昨日、タイミング良く"あの人"から電話があったから良かったものの、

なかったらきっと私、顔面蒼白になって泡吹いて倒れてたと思うよ。


そもそも勝手に人の出欠席を電話でしかも他人が操れるなんてどんだけ甘い学校なんだ。




本当、実にも香にも、学校にも怒りたい。お前ら小学校からやり直せ、って。




一通り心の中で愚痴を溢した後、大きなため息をつく。



っていうか、実と香はそんな簡単にサボっていいのか。

進級とか就職に響くんじゃないの?



私は進級とか就職とかはしないから別に関係ないんだけれど。実と香は関係あるだろうに。




あ。ヤバい。実と香の将来が心配になってきた。



今からでも学校に戻った方がいいんじゃないのかな。




「実、香。やっぱり学校戻った方がいいんじゃない?単位落ちたら大変だし…。進級とか就職に響くでしょ?」




クリスマスパーティーはまたゆっくりしようよ、と付け加えて実と香の顔を交互に見る。



あぁ、本当。いつ見ても二人は綺麗で可愛ぃ。




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