赤い狼 四





朋さん。下ネタじゃないから。純粋にどこの毛が毟られるのか心配になっただけだから。


銀に影響されたとは絶対に思いたくないから。




頭の中で思い切り否定する。



よって、私は下ネタなんて一言も喋ってない。




ふう、と息を一つ吐く。



だから下ネタ事件は、一件落ちゃ「行くぞ。」




最後まで喋らせろよ。




私の声を遮った主を睨みながら、ダンダン!と地団駄を踏む。




「おぉ!!ち、稚春!ついにゴジラの真似ができるようになったのか!!!」




朋さんが私の素晴らしい地団駄を見ながら目を見開く。



何故だ。何でいつも地団駄を踏むとゴジラの真似だって思われるんだ。



今更ながらにそう思う。

っていうか本当に、




「稚春ゴジラー!一緒に《VENUS》関東統一を目指そうじゃねぇか!!」




なんでゴジラなんだ。



未だ地団駄を踏みながら考える。


……ハッ!!


塚、私が地団駄を踏んだだけでゴジラになるなら、このままじゃあ私がこの街を破壊してしまう事になるんじゃないだろうか!



そ、それは…





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