赤い狼 四
「…なぁ、稚春。ゲームしようぜ。」
誰も喋らず静まり返った中、連が私にコントローラーを渡してきた。
多分、気を使ってくれたんだろう。
「連…。」
「裏ボスが倒せねぇんだ。やっぱり稚春が居ねぇと出来ねぇ。」
「よし!そんな時はこの稚春様に任せなさい!」
連の隣に座ってコントローラーを取る。
すると、連が
自分の名前に様付けんな。
と言って笑った。
「俺もやるー。」
「コントローラー二個しかねぇっつーの。」
「何でよー。」
「何も糞もあるか。二個しかねぇもんは二個しかねぇんだよ。」
「連も奏も喧嘩しないの!後で代わるから交代でやろうよ。」
「稚春が言うなら…。」
「さっすが稚春~。俺のマイハニーなだけあるっ!」
「あ゙ぁ゙?誰がお前のマイハニーだって?稚春は俺のだ。」
「いや、俺のだし。」
「やんのかこら。」
「上等。」
「もう、仲良くしようよ。」
何故か睨み合って喧嘩をしている連と奏。
そんな光景を見ながら少しだけ笑う。