赤い狼 四
でも、そんな私を目にも止めずに優魔は要にあろう事か同意を求めだした。
「まぁ、そんなに目ぇ瞑らなくてもいんじゃね?汚いもん見るんじゃねぇし。」
でも要は優しい人だから同意はしなかったけど今、私がしたくない行動ベスト一位を言ってきて泣きそうになった。
でも、またしてもそんな私のことを気にせずに優魔が調子に乗ってペラペラと喋りだした。
殴る。絶対に殴る。
「どの身体が好み?とかやっちゃうか。」
「ちょ、兄貴それ言い方が…!」
「優魔、変態…。」
「ゆーうまーーー!!!」
私の怒りがとうとう我慢できなくなって噴火した。
何故《VENUS》のお風呂にあるのか分からないけど、旅館にあるような桶を持って優魔を追い掛ける。
それを見た優魔はさすがに焦った様子でお風呂内を逃げた。私はそれを必死で追い掛ける。
「おい、転ぶぞ。」
そんな私達を見て拓磨がそう注意したけど盛り上がっている私と優魔、その他の男たちの耳には全く届いてなかった。
――その後、拓磨の言う通り私は派手に転けて半べそかきながら寝たのは言うまでもない。