赤い狼 四
―――――…
「お前ら大人げねぇよな。」
「お前に言われたくねぇよ。」
ぶす、としながら要を睨む優魔を見てため息を溢す。
まだ機嫌が良くならないのか、コイツは。
私が優魔の髪の毛を五本抜いてからもう一時間は経とうとしているのに、優魔は黒いどんよりとしたオーラを未だ消さずに周囲に威嚇している。
や、さすがに髪の毛を五本抜いたのはマズイかな…。とは思ったけどそんなに機嫌損ねるとは思ってなかったからさ。
口を尖らせながら優魔の髪の毛が抜けた瞬間を思い出す。