赤い狼 四
「ハ、ハゲたぁああぁ!!!」
「いっっ、てぇええぇえ!!!」
力の限り叫んだ。
優魔も力の限り叫んだ。
その光景を見て、他の五人は盛大なため息を溢した。
その間にも私の背中に冷や汗が伝って、焦って優魔に頭を下げて謝る。
「ごめん、優魔!!」
「俺の美しい髪をなんて事してくれんだ!」
「自分で言わないでよ!!このナルシスト!」
「何だとテメェエ!!」
でも、その姿勢は無惨にも優魔のナルシストな発言によってまた喧嘩になってしまった。
で。
「兄貴。いい加減、機嫌直せよ。」
「うるせぇ。」
この状態だ。
謝った方がいいのかなー。でも、あっちも悪い所はあったわけだし。私が謝るのはちょっと違うような…。いや、でも!
答えに一生辿り着けなさそうな考えをグルグルと頭でやってみせるけど結局、私が謝る必要性はないと判断して優魔から目を反らした。
だって私は悪くないし~。喧嘩ふっかけてきたのは優魔だし~。