赤い狼 四
朋さんはいったい何者なんだ?という疑問にぶつかりそうになった丁度その時、朝日の光を浴びてキラキラと眩しく光る金髪を左目に被せながら私の顔を龍が覗いてくる。
顔を上げれば、そこにはさっきまでの話題のお店がドーンとどでかく建っていた。
ここが噂の、"love&beauty"………。
「建物がピンクってどういう事?」
「せやろ?こないにピンクピンクしよったらラブホかって…ブホッ!!!」
下品な話題を口にした龍のお腹に陽の容赦ない右ストレートがめり込んだ。
痛い。絶対痛い。
「よし、入るか。」
そして、その場に倒れ込んだ龍を見下して拓磨が真っピンクなドアを開く。
私は龍があまりにも可哀想だと思って龍に手を差し伸べようとした。
でも、
「あ。何か踏んだ。」
私の背中を店内に押しながら、ニヤニヤ顔の優悪が龍をためらいなく踏みつけた事によってそれはできなかった。
《VENUS》の人達って怖い。総長を慕ってないのが丸わかり過ぎて怖い。