赤い狼 四





一瞬、弱くなっている心が揺れる。でも、すぐにその考えを打ち消した。




そんなの、龍達の重荷になっちゃうだけ。




「取るなんて…無理だと思う。」



「何で?」




否定の言葉を口にすると、要が可愛く首をこてんと右に傾ける。




その仕草、奏といい勝負だなー。奏はどっちかっていうと日頃も可愛いけど要は日頃カッコいいのに、たまにそういう事するっていうギャップが可愛いよなー。




ぶっちゃけ、どっちが人気あるんだろう。



可愛いVSギャップ対決!!



あ。今度、首を二人に傾げてもらって写メろう。どっちが萌えるか実と香に判定してもらおーと!




「って事で首を傾げる練習しててね!」



「何で無理だと思うの?」




見事に無視された。




塚、今ふざけてる場合じゃねぇんだよくそボケ。って要の目が言ってる。ついでに要以外の皆の視線もかなりグサグサ刺さってくる。




あぁあ。前からばしばしと優魔の鋭い刃物攻撃が!目から繰り出されてるよ!!



隣を防御しても前が無防御だったら意味ないじゃないか!なんたる失態!!





「くうっ!!」





悔しい!と握りしめた拳を机に叩きつける。





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