赤い狼 四





クスッと笑った棗の反応を見て

しまった!

と叫んだら棗に


稚春はばか正直だね。


と笑われた。



何気に馬鹿にしたよね、棗。私は分かったよ。完っ全に見下したよね。




フンッと棗から顔を背ければ棗が慌ててフォローを入れる。




「ごめんって、稚春。今のはちょっと口が滑っただけ。本当の事を言うつもりなんてなかったんだ。」




…が、私の心はもっと折れた。



もう立ち直れないくらいにボキボキに。そりゃあもう、素晴らしいくらいズタズタにされた。



でも、なんとかフォローできたと思っている棗はニコニコと天使の笑顔を振り撒いていた。



恐るべし、棗。







棗さん


天使笑顔で


傷えぐる




一句できた。





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