赤い狼 四
ふっ、と息をついてパソコンに向かう。
…正直、あの場に俺が居なくても良かったと思う。
最近忙しくて仕事が溜まってんのに。全く、余計な用事を増やしてくれるな。
少しだけ今日暴れていた奴等に腹を立たせる。アイツ等、確か今《CHAIN》に関東No.3の座を奪われそうになってる奴等だったよな。
最後の悪あがきをしてるのか?
それだったら今すぐ止めて欲しいな。
もともと働かない銀たちの仕事をするのも大変だっていうのに他の事もやらないといけないから正直、体が持たない。
今すぐ止めてもらわないと、ぶっ倒れそうだ。
こんな事だったら隼人だけに行かせて仕事しとけば良かったな。
あー、でも俺が居ないと今日の奴等死んでたか。
もう風呂に入った隼人のさっきの姿を思い浮かべる。
『離せ、まだできる。』
『そりゃあお前は大丈夫だろ。お前じゃなくて相手が駄目だ。』
『殺さねぇ。』
『半殺しにしといてよく言う…。コイツ等をよく見てみろ、もう死にそうだ。』
隼人、今日はいつになく荒れてたな。
あの時止めなかったらマジでアイツ等死んでたぞ。