赤い狼 四





「それにしても稚春は隼人に対して耐性ついたよね。」



「そうだよなぁ。今だって怒鳴られてんのにきっと、


亀とスッポンの違いって何なんだろう?


とか馬鹿な事考えてんだろーよ。」




それは断じて違う。塚、それ考えてるの絶対銀でしょ。



だって目が上向いちゃってるよ。絶対考えてるよね。目が上向くって完全に考えてる証拠だよね。


っていう事は銀も亀とスッポンの違いが分かってないって事だよね。人に擦り付けるなんて最低だよね。


っていうかそんな暢気に話してる暇があったら助けてよね。銀の横に居る棗もね。




ジーと棗と銀を睨むようにして横目で見る。



するとと棗は私の視線に気付いて、にこやかに笑いながら手を振ってきた。





いやいや、助けてってば。




「頑張って、稚春。」




そーじゃないよね、棗。君には良心ってものがないのか。




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