赤い狼 四
「今更だけどさ、《SINE》って団結力ゼロだよね。」
「聞いてんのか、稚春!」
いや、本当に今更だけどね。隼人まだ怒鳴ってたんだね。ごめん。最初っから全く聞いてなかった。
塚、連は何気に奏とゲームしないでよ。連だけなんだよ、この中で唯一私を助けてくれる人は。
「っしゃー!やったぜ!全クリー!!」
「やっぱり俺が居ると違うよねー。」
「調子に乗んな!」
もう期待しない事にするよ。
皆に聞こえないように短くため息をつく。それと一緒に肩もガックリと落とした。
なんか今日はもう疲れた…。
やれやれ。と頭を横に振る。
でも私は学習能力が無いようで…
――バサッバサッ――
「わざとか?わざとやってんのか、稚春。」
隼人に二度目の攻撃を仕掛けたらしい。
勘弁してくれ。